一般不妊治療での妊娠が難しい場合、高度不妊治療を実施することがあります。
詳しい治療法についてご理解いただき、不安や疑問を解消していただけるよう、個々での説明や、体外受精セミナーを実施しています。
ご夫婦お二人の希望をお伺いし、最適な治療を提案してまいります。
高度不妊治療が必要となる主な要因
卵管因子
子宮内膜症
多嚢胞性卵巣症候群 (PCOS)
免疫性不妊 (抗精子抗体)
原因不明不妊
難治性不妊
年齢
男性因子 (乏精子症、無力精子症、無精子症、奇形精子症)
卵子の育て方は、患者さんの年齢、卵巣の反応性、これまでの治療歴などを考慮して選択していきます。卵を育てるために、排卵誘発の注射を行ったり、内服の排卵誘発剤を使用することがあります。 当院で行うことの多い排卵誘発法は以下の通りです。
月経開始日から点鼻薬の使用を開始し、月経2-4日からhMG(FSH)製剤の注射を7~10日間ほど連日行います。
採卵数は多いですが、卵子の質が悪いことがあります。
治療前周期の黄体期(高温相)に点鼻薬の使用を開始し、月経2-4日目頃からhMG(FSH)製剤の注射を7~10日間ほど連日行います。
採卵数が多く卵子の質も良好ですが、通院回数が多く、治療期間も長くなります。
月経周期3日目からhMG(FSH)製剤の注射を開始し、卵胞が大きくなったところで排卵を抑えるアンタゴニスト製剤の使用を開始します。
卵子の質は良好ですが、上記二つの方法に比べて採卵数は少ない傾向にあります。
通常、月経3日目頃からクロミッドの内服あるいはセキソビットやレトロゾールの内服を開始します。場合により、hMG製剤の注射を2~5日間ほど併用する事もあります。
一切排卵誘発剤を使用せず、自然に発育する卵を利用して治療を進めます。
超音波を見ながら経膣的に細い針で卵胞を穿刺・吸引して卵子を取り出します。これを採卵といいます。採卵は静脈麻酔下で実施します。
採卵は約15分で終了しますが、採卵後数時間ベッドでお休みいただきます。麻酔の影響は数時間で消失しますので、朝に採卵を行った場合、お昼過ぎには帰宅して頂けますが、当日の運転はお控えください。