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高度不妊治療

一般不妊治療での妊娠が難しい場合、高度不妊治療を実施することがあります。
詳しい治療法についてご理解いただき、不安や疑問を解消していただけるよう、個々での説明や、体外受精セミナーを実施しています。 ご夫婦お二人の希望をお伺いし、最適な治療を提案してまいります。

高度不妊治療が必要となる主な要因
卵管因子
子宮内膜症
多嚢胞性卵巣症候群 (PCOS)
免疫性不妊 (抗精子交代)
原因不明不妊
難治性不妊
年齢
男性因子 (乏精子症、無力精子症、無精子症、奇形精子症)

一般体外受精 (IVF)

採卵日、ご主人には精液を採取していただきます。精液は調整して、良好精子を選択回収します。
一般体外受精は、こうして集めた精子を、卵子をいれたシャーレの中に加え自然に受精するのを待つ方法です。一般体外受精での受精率は70~80%です(すなわち、10個の卵子に体外受精を行ったら平均7~8個の卵子に受精が起こります)。しかし、精液所見に問題がなく一般体外受精を行ったにもかかわらず、受精率が低いケースや、受精が全く成立しないケースもあります。

顕微授精 (ICSI)

精液所見が悪いケースでは、顕微鏡下で受精をおこなう顕微授精で受精をめざします。 顕微授精では、1個の精子をインジェクションニードルという細い針に吸入し、顕微鏡装置のもとで卵子にインジェクションニードルを刺入し、1個の精子を卵子に注入します。顕微授精での受精率は70~80%です。卵子の質によっては、針の刺激で卵子がつぶれてしまうことがあります。
また、通常の顕微授精では受精しない場合には、卵子を活性化させ受精を促すと言われているカルシウムイオノフォアという薬剤を用いて受精を促します。

子宮内膜受容能検査(ERA)

子宮内膜受容能検査(ERA)とは、子宮内膜の「着床の窓(implantation window)」がずれていないかを遺伝子レベルで調べる検査です。子宮内膜はいつでも着床の準備がされているわけではありません。通常は子宮内膜に胚が着床できる状態になる(着床の窓が開く)のは黄体ホルモン投与後5日目です。ところが、この着床の窓が開くのが通常より早かったり、遅かったりすることがあります。このような場合には従来通りに黄体ホルモン投与後5日目に胚盤胞を移植しても着床はおこりません。着床障害を繰り返す方に対して子宮内膜受容能検査(ERA)を行い、着床に適切な時期を調べ、その時期に移植を行うと妊娠が成功することが近年報告されています。

子宮内膜受容能検査(ERA)の適応

●着床障害のある方
●移植できる胚が希少な方
●初期流産(化学流産を含む)を繰り返す方

透明帯開孔法(AHA)

透明帯が厚い、または良い受精卵を子宮に戻してもなかなか着床(妊娠)しない人のための治療技術です。 卵の殻である透明帯の一部を薄くし、更に穴を開けることで、胚が殻から出やすくなるようにして胚移植し、着床しやすくする卵孵化補助技術になります。 当院では赤外線のレーザー光線を用いて行うため、安全かつ信頼性の高い方法で施行できます。

排卵誘発~採卵

排卵誘発

卵子の育て方は、患者さんの年齢、卵巣の反応性、これまでの治療歴などを考慮して選択していきます。卵を育てるために、排卵誘発の注射を行ったり、内服の排卵誘発剤を使用することがあります。 当院で行うことの多い排卵誘発法は以下の通りです。

ショート法

月経開始日から点鼻薬の使用を開始し、月経2-4日からhMG(FSH)製剤の注射を7~10日間ほど連日行います。
採卵数は多いですが、卵子の質が悪いことがあります。

ロング法

治療前周期の黄体期(高温相)に点鼻薬の使用を開始し、月経2-4日目頃からhMG(FSH)製剤の注射を7~10日間ほど連日行います。
採卵数が多く卵子の質も良好ですが、通院回数が多く、治療期間も長くなります。

アンタゴニスト法

月経周期3日目からhMG(FSH)製剤の注射を開始し、卵胞が大きくなったところで排卵を抑えるアンタゴニスト製剤の使用を開始します。
卵子の質は良好ですが、上記二つの方法に比べて採卵数は少ない傾向にあります。

クロミッド療法、セキソビット療法、レトロゾール療法

通常、月経3日目頃からクロミッドの内服あるいはセキソビットやレトロゾールの内服を開始します。場合により、hMG製剤の注射を2~5日間ほど併用する事もあります。

完全自然周期

一切排卵誘発剤を使用せず、自然に発育する卵を利用して治療を進めます。

採卵

超音波を見ながら経膣的に細い針で卵胞を穿刺・吸引して卵子を取り出します。これを採卵といいます。採卵は静脈麻酔下で実施します。
採卵は約15分で終了しますが、採卵後数時間ベッドでお休みいただきます。麻酔の影響は数時間で消失しますので、朝に採卵を行った場合、お昼過ぎには帰宅して頂けますが、当日の運転はお控えください。

胚移植 (ET)

受精後、細胞分裂がある程度進んだところで、柔らかいチューブで受精卵を子宮に戻して着床させます。当院では全例エンブリオグル―を使用しております。

●新鮮胚移植

採卵周期に胚をお腹に返す方法です。凍結・融解による胚のダメージが一番少ない方法ですが、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を引き起こす可能性があります。

●凍結胚移植

ホルモン補充周期で子宮内膜を整え、凍結していた胚をお腹に返す方法です。凍結・融解で胚がダメージを受けてしまうリスクはありますが、副作用が少なく最も妊娠率の高い方法です。

●二段階移植

採卵後2~3日目に行う初期胚移植と、採卵後5~6日目に行う胚盤胞移植を組み合わせた方法です。最初に移植した初期胚が着床しやすい子宮環境を整え、その後移植される胚盤胞の着床率が高まることを期待して開発された移植方法です。

●SEET法

体外受精においても自然妊娠と同様のシグナルを子宮に届けることで、より着床しやすい子宮内膜の状態を作り出し、妊娠率の向上を促進する技術です。

治療成績

  移植数 妊娠数 妊娠率
2016年 140 40 28.6%
2017年 120 42 35.0%
2018年(6月現在) 66 28 42.4%

*妊娠の定義は胎嚢確認以上としています。